2009年 09月 21日
天草四郎時貞 |
『天草四郎時貞』
国:日本(東映)
制作:1962
監督、脚本:大島渚
製作:大川博
企画:辻野公晴
中村有隣
森義雄
脚本:石堂淑朗
撮影:川崎新太郎
美術:今保太郎
音楽:真鍋理一郎
出演:大川橋蔵
大友柳太郎
三國連太郎
丘さとみ
平幹二朗
毛利菊枝
佐藤慶
千秋実
戸浦六宏
佐々木孝丸
※徳川家光の治下。伝来したキリスト教禁止令が発布され、各地でキリシタン達が圧政下の元弾圧されていた。島原でも藩主松倉勝家の命を受け代官・田中宗甫が、幕府直参・多賀主水を監励にキリシタンを弾圧していた。しかし、弾圧は度を越え残忍極まりない執拗なものだった。一方、かつて武士であった天草四郎は、キリシタン弾圧を避け身を隠し農民達と共に立ち上がる期を待っていた。しかし、四郎の制止を聞かず数人のキリシタン武士とキリシタン百姓が弾圧に耐えかね宗甫を襲う。それを期にキリシタン達が一気に反旗を掲げ戦へと展開してしまう。それを知った幕府は十万の兵を送り、いよいよ戦は拡大して行き農民達は四郎を指導者に担ぎ上げるのだった……
天草四郎時貞と言うと「魔界転生」がイメージですね。しかし、この作品は神掛かった天草四郎ではなく後に島原の乱とされる一揆に翻弄された一人の人間を描いています。
「一人の人間が、人々の意志により担ぎ出される様」これがこの作品を表す一番の言葉かなと。
天草四郎を英雄的存在で描いている訳ではなく、あくまでもキリシタン取締まりに対する圧政の不条理に対する人々を描いています。天草四郎は、あくまでも象徴で実在はキリシタン農民が主役。そして、そこに何の意かも明確ではない浪人、数人の意志を持った浪人。そういう加担した人間関係が混迷を招いています。これは、大島渚監督の特長と言えます。
人間の屈辱によって担ぎ出された天草四郎。
この監督の作品、人間性がこの作品からは捉える事ができます。
乱の起こし方としても、非常に正当で理にかなった描き方だと思います。象徴を一人立てる事で、団結力をもつ。
安保闘争に参加した大島渚監督の社会視線は、こういうことなんだと改めて捉えることができました。
国:日本(東映)
制作:1962
監督、脚本:大島渚
製作:大川博
企画:辻野公晴
中村有隣
森義雄
脚本:石堂淑朗
撮影:川崎新太郎
美術:今保太郎
音楽:真鍋理一郎
出演:大川橋蔵
大友柳太郎
三國連太郎
丘さとみ
平幹二朗
毛利菊枝
佐藤慶
千秋実
戸浦六宏
佐々木孝丸
※徳川家光の治下。伝来したキリスト教禁止令が発布され、各地でキリシタン達が圧政下の元弾圧されていた。島原でも藩主松倉勝家の命を受け代官・田中宗甫が、幕府直参・多賀主水を監励にキリシタンを弾圧していた。しかし、弾圧は度を越え残忍極まりない執拗なものだった。一方、かつて武士であった天草四郎は、キリシタン弾圧を避け身を隠し農民達と共に立ち上がる期を待っていた。しかし、四郎の制止を聞かず数人のキリシタン武士とキリシタン百姓が弾圧に耐えかね宗甫を襲う。それを期にキリシタン達が一気に反旗を掲げ戦へと展開してしまう。それを知った幕府は十万の兵を送り、いよいよ戦は拡大して行き農民達は四郎を指導者に担ぎ上げるのだった……
天草四郎時貞と言うと「魔界転生」がイメージですね。しかし、この作品は神掛かった天草四郎ではなく後に島原の乱とされる一揆に翻弄された一人の人間を描いています。
「一人の人間が、人々の意志により担ぎ出される様」これがこの作品を表す一番の言葉かなと。
天草四郎を英雄的存在で描いている訳ではなく、あくまでもキリシタン取締まりに対する圧政の不条理に対する人々を描いています。天草四郎は、あくまでも象徴で実在はキリシタン農民が主役。そして、そこに何の意かも明確ではない浪人、数人の意志を持った浪人。そういう加担した人間関係が混迷を招いています。これは、大島渚監督の特長と言えます。
人間の屈辱によって担ぎ出された天草四郎。
この監督の作品、人間性がこの作品からは捉える事ができます。
乱の起こし方としても、非常に正当で理にかなった描き方だと思います。象徴を一人立てる事で、団結力をもつ。
安保闘争に参加した大島渚監督の社会視線は、こういうことなんだと改めて捉えることができました。
by rideonyoshida
| 2009-09-21 22:46
| 1962(邦)