ヨーク軍曹

『ヨーク軍曹』(SERGEANT YORK)
国：アメリカ(WB)
制作：１９４１
監督：ハワード・ホークス
製作：ジェシー・Ｌ・ラスキー
ハル・Ｂ・ウォリス
脚本：ジョン・ヒューストン
ハワード・コッチ
エイベム・フィンケル
ハリー・チャンドリー
撮影：ソル・ポリト
音楽：マックス・スタイナー

出演：ゲイリー・クーパー
ウォルター・ブレナン
ジョーン・レスリー
ジョージ・トビアス
スタンリー・リッジス
マーガレット・ワイチャーリイ
ウォード・ボンド
ノア・ビアリー・Ｊｒ
ジューン・ロックハート

受賞歴
第１４回(1941)アカデミー賞
主演男優賞(ｹﾞｲﾘｰ･ｸｰﾊﾟｰ)

※テネシー州田舎町。この街に生まれ育ったアルヴィン・ヨーク。貧しい農家に生まれた彼は、酒飲みで無頼男。しかし、ある時信仰に深くのめり込むようになり聖人となる。宗教上で殺人は何物にも堪え難い罪だと信じてきたが、時は第一次世界大戦下やがてアメリカも大戦へと突入して行くのであった…



時代背景からすると戦争高揚として捉えられる作品でありますし、信仰と言う点から観ても宗教高揚と捉えられる作品でもあります。ですが、それだけで片付けてしまってはいけない作品だと思います。
“戦争は殺人か？”そういう問い掛けに正面からぶつかっていってます。
それを、宗教上からくる発想としてすべての人間への押しつけではなくあくまでもこのヨーク軍曹の答えとして出しています。この作品を観て「ヨシ！俺も戦争へ行くぞ！」となっていたらこの作品は、人に与えるモノとしては明らかな失敗作だったと思います。観ている側に考える余白を与えているのが、この作品です。国策高揚作品では、ありません。あくまでもヨーク軍曹を観せながらも、戦地ではないアメリカから見た戦争を描いています。
遠く離れた戦地を戦場ではないアメリカから捉えた作品であります。